のがみ農場便り

2012年07月

ダレカブッテキダシタ。

ここ最近、急に変化がある。

分娩舎内の母豚が、ダルそうだ。

産後の肥立ちが悪い。

暑いのがこう続くと、さすがにばてる。

扇風機も増やし、水も与える頻度を増やしたが、食欲が無い。

無神経なくらいに、食べる奴は、食べる。

給餌も数回に分けてやるように、どの農場も工夫をしている。

人間と同様に、豚も新しい水が美味しいに決まっている。

きれいなお茶碗にしてあげると、豚は正直に答える。

ただ、ここできれいにするときにエサが大量に残ってしまっている場合が、無駄になる。

勿体ないが、エサとずっと水が一緒だと、そりゃ水の温度が上がって腐れやすくなる。

分かっていても、ついつい、朝の給餌で多めにやってしまう。

ここは自分で工夫しないと、エサのロスをするばかりである。

子豚も白い便をする群が見受けられる。

母乳には勿論影響されている。

スタートダッシュが遅れると、取り戻すのに余計な日数とエサのコストがかかってしまう。

冬場ほど、冷え込んで子豚が衰弱してしまうような状態はないが、親のバテぶりは大きく影響する。

離乳しても、次の種付けが上手くいかなくなる。

例年、みんな苦労している。

分かっていいるのに、なかなか難しい季節です。

この時期に、どんどん種付けが上手くいけば、年末年始の分娩頭数が増えて、

それが一番相場の期待できる夏場の肉豚出荷に大きく貢献するのに。

わかっていても、難しい。


飼料販売の得意先に、産後の肥立ちを良くするため、黒糖をあげている農場がある。

ここは、最近、とっても成績の良い農場だ。

上手くいっている農場の手法はやはり取り入れねば。

こんど、焼酎でも飲みながら、じっくり聞きだしてみよう。


しかし、やってる自分たちも、暑いです。


錦江湾横断カヌー


日曜日は、子供の学校行事に参加。

錦江湾をカヌーで往復。

8km。

子供たちは随分と早くから学校のプールで練習してきた。

錦江湾横断遠泳もすごいですが、カヌーは往復のため気力と体力はかなり消耗する。

自分は2年前に長女が参加したので、その時以来の2回目です。今度は次女。

5,6年生が対象で、希望があれば中学、高校生になっても参加できる。

大人はいつでも可。

やはり隊列を組むので、外側にいる大人は多い方が安心。

しかしながら、この魅力が上手く伝わり切れていないのか、大人の参加は父親3名、母親5名。先生3名、カヌー協会より5名ほど。

荒田小のほかに清和小も参加しているので、総勢50人ほどの大群で挑んだ。


24年錦江湾横断カヌー8



24年錦江湾横断カヌー6



幸いに天気も良く、波も穏やか。

子供たちも懸命にカヌーを漕ぐ。

こればっかりは、自力でやり通さなければならない。

最初は楽しそうな笑顔の子供たちも、さすがに表情に変化が見られてきた。


途中で3回ほど休憩。

お互いのカヌーを寄せ合って、いかだの様な状態を作り、手を休める。


このゆらゆらしている時が、なかなか楽しい。


24年錦江湾横断カヌー3



目指すは桜島。

心配していた灰が降らなかったのが、一番良かった。


24年錦江湾横断カヌー2



対岸に着いたら、みんなで休憩。

おにぎり、スイカ、お菓子。


これで子供たちも元気が回復するからスゴイです。

24年錦江湾横断カヌー9



往路は長い時間を要しましたが、帰りは早かった。

みんな、無事、やり遂げました。


ご苦労様。

24年錦江湾横断カヌー4



だんだん、潜在的にでもカヌーに興味を持っている人も増えているようだ。

自然と融合する感覚は楽しいもんです。


来年も頑張ります。


24年錦江湾横断カヌー5





頂上。

自分はここに残ることにした。

悔しいが、考えることはこれからのことだ。

しかし、スゴイ景色だ。

鹿児島では、なんつぁならん、と言ったところか。

北アルプス24年7月4


北アルプス24年7月3


北アルプス24年7月2


北アルプス24年7月1


その向こうに、頂上を目指す二人がいる。

そこに居合わせた年配の女性と歓談しながら、二人の姿を楽しんだ。

頂上は、一度登ったが、その時は大雨の前で全体に霧がかかり何も見えなかった。

今回は絶景を拝めたらしい。


P1010066




「ところで、あなた、脚、大丈夫なの?」


「ええ、多分、大丈夫です。」


「それで大丈夫なんて、そんなこと無いでしょ。ちょっと見せなさい。」


この状況で、拒むこともできず、渋々ズボンをまくりあげた。


自分でも見ない方がいいと思っていたが、やっぱり見なきゃ良かった。


「あなた!この足で登ってきたの?」


この高揚した言葉に、周辺の登山組がざわつき、寄ってきた。


「待ってなさい、呼んでくるから。」


山小屋のスタッフを呼びに行っている間に、みんなで手持ちの救急道具を取り出す。



「大丈夫ですか?」


「まあ、なんとか。」


と、やり合っているうちに、山小屋の人が駆けつけてきた。


「裏から来たの?あっちはまだ整備が遅れてしまっていてねえ。」


「どれどれ」


「あ~、こんなん、たいしたことない。」


一言だった。


そりゃそうだろう、


おそらく、この人たちは、数多くの遭難者や、もしかしたら、死者とも立ち会っているかもしれないのだから。


「ちょっとしみるよ。」


手に取っていたのは、ポンプ式になった消毒用アルコール。


じわじわ、なんて想像していた自分が馬鹿だった。


手に取り構えるや否や、勢いよく傷口全体に何度も何度も吹き付ける。


大人ですから。


拳を握るしかなかった。顔は自分で見るには至らないほど、真っ赤っかである。


それをみんなが、笑顔で見守った。


ホントは笑いの状況だが、じっとそれを我慢している雰囲気が、自分には十分伝わっている。


手厚く、介抱してもらったいただいた方々には感謝この上ない。


P1010070



二人が降りてきた。


とりあえず、ここで昼食をとって、下山しよう。


不安な下りが始まる。


さあ、踏ん張りどころだな。







頂点を目指して②

もう少しでおそらく雪渓も終わるだろう。

P1010060


頂上付近は雪渓はほとんどないと聞いている。


大分遅れをとってしまった。

確かに近づいてはいるのだが。


本来なら、この絶景を楽しむ瞬間だが、そんな気持ちの余裕などない。

こんな景色、普通じゃまず見ることはできない。


P1010061




時折、弾んだ会話をとぎらせてしまう。

いっぱいいっぱいなのが、バレバレだ。



槍ヶ岳の手前に小槍と言われる場所がある。


聞いたわけではないが、その小槍って、多分そうだ。


アルプス一万尺小槍の上でアルペン踊りをさあ踊りましょ、ヘイ、ラ~ンラランララララララ~ンランララララ♪


そう、アルペン踊りだ。



P1010063



かなりの崖で尖った岩だ。

実際ここには踊れる場所など無い。

槍ヶ岳がその場所になるそうだ。



小槍を過ぎると、そこには頂上をほぼ手中に収めたと言っていい。


槍ヶ岳山荘に到着した。






頂点を目指して①

安堵感と恐怖心で、心拍数は上がったままだ。


足は未だにガクガクと震えている。


ザックを開け、ペットボトルの水を一気に飲み干す。


息切れが止まらない。



かれこれ、1時間が経過した。


帰り道は、ない。


来た道以外は。


行くしかないのだ。登るしか、ない。


拾った命。一度失いかけた命。


みんなが落ち込んでいる。


幸い、登りなら、何とかいけそうだ。


「行けます!」


左足はズボンがズタズタに破け、真っ赤ににじんでいる。


気にしたら、何もできない。見るわけにはいかない。


山では、歩ける奴は歩け、が鉄則らしい。


「じゃあ、行くぞ。」


2人に挟まれて、登りを再開した。


俺は、どれだけの人に支えられてきたんだろう。


歩きながら、ふとそう思うと、涙が止まらなかった。



明るく元気よく、


無理矢理でもいい。


楽しく登ろうと誓った。



P1010059



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