農場のエサには麹を使って発酵させた液状の飼料を食べさせている。

黒麹。

最近、麹について話を聞ける機会があった。

いまいちわからなかった麹の世界。

とんでもなく、深く、難しい世界だが、

使っている理由が、なんとなく、今になって、まだ低いレベル程度にわかってきたような気がする。

麹を使った発酵、

なぜ、新しい黒麹によって、焼酎ブームが再来したのか。

甘さ。

どうやら、麹の量は甘さにある程度比例するらしい。

入れ過ぎでも良くないらしいが。


発酵した飼料でも、肉質に影響を及ぼす質が違うようだ。


消化吸収が良いと言うだけではなさそうである。


発育面では、今までわからなかったが、

麹発酵だけではないようだ。


飼育管理が大きく作用している。


グリーンファームで同じやり方をして、ここまで発育状況が変わるとは思ってもいなかった。

もちろん、10頭を飼うのと、500頭を飼うのでは、全く同じではないが、

違うのは、飼育密度と排泄処理、放牧の有無、衛生状況。


3か月令まで溝辺農場で飼っていた豚が、

喜入に移ると、出荷日令が明らかに短縮できる。


母豚も一緒だし、ワクチンプログラムも一緒。

場長の提案で、早速、肉豚の群編成を試みた。

本来は、あまりチョコチョコ群編成するべきではない。

新たな順位決めの争いがおこるし、それによるストレスで食が細くなったり、疾病に至る可能性もある。


群編成のやり方もあるので、積極的に試している。

結果、溝辺農場でも、明らかに改善できつつある。


出荷日令が早まるということは、それだけ飼料費がかからないということ。

生産費を抑えることができる。


うちの農場では、リサイクルといっても、リキッド飼料の運搬に掛かる車両経費、燃料費、人件費、それに加え、

リキッドによる汚水の増加など、

配合飼料の比率が落とせそうにイメージされるが、その部分に一般の農場が使わない経費が大きくのしかかってくる。


正直、普通のやり方に戻した方が、それで農場成績を上げていく方が、

省力化でき、よっぽど生産原価を抑えられるんじゃないかと、いつも思う。思わされる。


ただ、そこに、付加価値はない。


この生産体制をとっていることによって、現在があるのだ。

現在?

じゃあ、やめれば、もうかるのか・・・・。


生産は、やっと、安定化してきた。


あとはベースアップ。



ベースが成り立っていれば、販売にここまでこだわっているのか。

それはわからない。


夕方、飼料メーカーと話していたが、

高付加価値だけにおぼれていると、そのうち、レベルが落ちる。

努力しなくなる、そうだ。


確かに、そうかもしれない。しかし、やることはシンプルな方がいい。余計な時間と費用は使わない。


しかし、今はそういうわけにはいかない。


販売して、知名度をあげて、売るための努力をして、少しでも売り上げを伸ばして1頭当たりの売り上げ単価をあげたい。


時間はかかってもいいから、費用はかかりたく、ない。


在庫が増えてきた分、飼料費がかなり増加している。


肉質を悪い方向に変えず、利用できる代替飼料は、どんどん使いたい。


掛かる手間を、どう、使っていくか、


まだ、材料はある。